災害時の情報支援について~情報統括責任者の派遣を~
昨日(2011.10/22)、ITCみやぎ・SAAJ東北・JISTA東北ワークショップ2011が開催された。
その講演者の一人であるトライポッドワークス佐々木堅一社長からの提言に大いに共感した!
「今回の震災のような災害時には、情報の管理が非常に重要となる。医療や人命救助の専門家とともに、情報統括の専門家を派遣すべきである。各被災地に、一人づつでよい。被災地の情報環境(停電や電話、ネット環境の状況、住民の状況)に適した情報共有、発信方法を決め、情報管理を進めることが必要だ。」(佐々木社長の発言要約)
今回の震災ではTwitterなどのソーシャルメディアの役割が注目された。他方で、「手書きの新聞」が注目されるなど、被災地の状況に応じた情報共有方法が採用された。
また、多くのITベンダーが高度なクラウドサービスを無償で提供したが、十分に活用されたとは言い難い状況であった。
私が訪問したある被災地の自治体では、西宮市の職員の方が常駐し、情報環境の復旧状況に応じた情報共有方法を進めておられた。ここでは、阪神大震災の経験が大いに生かされていると感じた。
ここでいう「情報環境」というのは、情報技術(インターネットや携帯)がどれだけ使えるかという意味ではない。今日では、情報技術の進歩によって、情報の共有や発信が容易になった。ところが被災地においては、情報技術が十分に活用できるとは限らない。「手書き新聞」や「張り紙」が重要な情報共有手段となる場合もあった。
被災地には、情報管理の統括責任者が必要だ。被災地と一言で表現しても、その置かれている環境は大きく異なる。また、時間の経過と共に変化していく。被災地の情報環境も同じである。情報環境の変化、復旧状況に応じて、情報収集・共有・発信方法も変化していく。刻々と変化していく情報環境に対応し、適切な情報管理方法を推進する専門家が必要となる。被災地の復興に、どのようなクラウドサービスを使うのが有効化なども判断する。
情報管理に積極的な企業は、情報統括役員(CIO)を設置し、情報管理を戦略的に進めている。災害からの復旧においても、ヒト・モノ・カネの投入と共に”情報”管理を進める必要がある。