被災地の自治体を訪問して
昨日、私の大学が震災復興計画作成に協力している町へ、自治体庁舎のネットワーク環境調査のために訪問しました。
今更ながら驚いたのは、地震の破壊力の大きさです。
峠を越えて町中へ入っていきました。石清水のようだった川が、やっと2~3メートル幅の普通の川になった所まで山を下ってきたと思っていたら、いきなり漁船の残骸が目の前に飛び込んできました。まだ山道なのに道路の両側はがれきの山でした。当然、海も見えません。津波はこんな所まで来たのか・・・と息をのみました。
今まで、比較的津波の高さが低い地域しか見てこなかったので、数十メートルの高さにまで及んだであろう津波の破壊力に息をのみました。
鉄筋コンクリートの頑丈そうな建物も鉄骨だけを残しているか、残っている鉄骨も折れ曲がっているという状態でした。海の近くにある大型マンションは、原形をとどめているものの、おそらく6~7階あたりまで波が届いたようです。
見渡す限りのがれきの山、”町がなくなった”という表現を実感した光景でした。
そんな中で、復興に取り組まれている自治体職員の方は、強い危機感を持たれています。早く復興計画を示さないと、町がなくなる、という危機感です。私たち、復興支援に関わる者も、スピードが問われています。
自治体庁舎内のネットワーク・IT環境の復旧は、予想より進んでいました。地元ITベンダーの方が機動的に動かれ、仮庁舎であるにも関わらす、ネットワークは整備され、職員一人にPC1台の環境は作られていました。被災者支援のシステムも動いているようです。
ここで、特に重要と思ったのは、阪神大震災を経験された西宮市の方が全面的に支援されていることです。昨日も、西宮市の方が常駐されていました。
西宮市の支援の下、環境改善に合わせた情報環境整備を進めています。ステップを決めて、段階的に適用範囲を拡大しているとのことです。
震災復興の経験が継承されています。
これは、IT関連だけでなく、復興計画全体に必要だと思います。環境の違いは大きいですが、今後、このような復興支援が拡大すればと期待します。