グリーンIT
グリーンITという用語が注目されている。
環境問題を考慮したIT基盤をつくるというのがその意味である。企業のサーバーなどを管理するデータセンターの消費電力は、ここ5年で2倍以上になったとのことである。IT機器の処理能力は、ここ5年で格段にアップしているし、消費電力対性能比も格段に向上している。それにもかかわらず、消費電力が倍加しているとは、IT機器への需要がそれ以上に拡大していることが想定される。
グリーンITの対象となるのは、ITの製造における性能の向上=省電力設計、ITの利用局面における省電力対策である。さらに、ITの廃棄段階における無害化、リサイクルなども含まれることになる。
ITの製造段階で必要になるのは、CPUの省電力対策につながる半導体技術、ストレージの稼働率向上などにつながる仮想化技術などである。
次にITの利用段階、これが最も注目されているが、データセンターなどの省電力対策である。これには、サーバールームの冷却効率改善、サーバー統合によるIT資源の有効利用などがあげられる。
これらの対策は重要ではあるが、私が注目したいのは、ITによるエコロジーである。例えば、サプライチェーン改善による省エネルギーは、社会的に影響は大きい。グリーンITをITベンダー任せにしないで、より広い意味でグリーンITを捉えるべきだ。抽象的な言い方だが、産業における投入要素を情報に代替えすることによるエコロジー効果は大きい。